加湿器の違いを知ろう!

前回までのコラムでなぜ加湿が必要なのか、加湿のメリットやデメリットはどのようなものなのかをお伝えしました。
今回はもう一つ、加湿をするための必需品「加湿器」の選び方や使い方に欠かせない加湿器の“エコな使い方”について触れておきたいと思います。

賢い加湿器利用の基礎知識』のコラム冒頭でお伝えしたように、加湿器選びは部屋の広さに見合った加湿力、衛生的なメンテナンスのし易さ、消費電力、見た目といった基本的な選ぶための基準を押さえておけばほぼ間違えることはないのですが、実際に価値のある加湿器の使い方を目指すために押さえておきたいのが「無駄のない加湿器の使い方」つまりコストや手間を抑えて効率よく加湿器を使う方法です。

そこでまず大事なのが加湿器の「種類」を知ること。
一言で加湿器といっても“空気に水分を供給する方法”に様々な方式があります。詳しくは本サイトの「はじめての加湿器」でお伝えしていますので、ここでは簡単にまとめて、加湿器の種類とポイントを挙げておきたいと思います。

  1. スチーム式

    清潔・お手入れ簡単、水を加熱し蒸発させた蒸気で加湿する方式。

  2. 気化式

    コストパフォーマンスに優れた、濡れたフィルターに空気を通して加湿する方式。

  3. 超音波式

    デザイン性重視のものが多い、水を振動させて発生したミストで加湿する方式。

  4. ハイブリット式

    初めて加湿器を選ぶならお勧め、①+②や①+③の組み合わせで加湿する方式。

  5. 水噴霧式

    加湿力重視ならこれ、ミスト状に細かくした水を散布して加湿する方式。

加湿器には適材適所が...

大きく分けて5つの方式の加湿器があることを紹介しましたが、実はこれら加湿器にも使う場所によっての「適材適所」があります。

例えば、スチーム式や超音波式といった比較的小型の加湿器で採用される方式は加湿力自体が弱く、ご家庭の個室で使うには十分ですが、事務室や広間といった大きな空間には不向きです。
その逆で、水噴霧式はその多くが加湿力の大きな業務用のもので、大きな空間には適していますが、数m²~数十m²の比較的小さな部屋では加湿力がありすぎて非効率です。
このほかに給水の頻度やお手入れの手間もそれぞれの方式によって違ってきます。

このような加湿方式の違いを理解しておいて、加湿器を使いたい部屋の用途や大きさ、加湿器を使う(時間)を考えて加湿器を選ぶのもエコな使い方の基本として大事なポイントです。

エコな使い方のポイント!

用途に適した加湿器を選んだ次が、実際にエコな使い方の実践です。
加湿器を無駄なく使うエコな使い方のポイントは3つです。

【ポイント①】加湿と室温調節は一心同体
一つ目のポイントは『賢い加湿器利用の基礎知識』のコラムでお伝えした内容の繰り返しになりますが、湿度は室温によって変化します。加湿をしていなくても室温が下がれば湿度は上がりますし、逆に室温が上がっていけば湿度は下がっていきます。つまり、室温をあまり上げなければ加湿量も少なくて済むわけです。
同じ湿度50%を目指すなら、汗を掻くほど室温を上げて、加湿器をフル運転させるより、寒くない程度のほどほどの室温にして加湿器を運転すれば、電気代も水道代も節約、エコな加湿器の使い方の基本ですね。

【ポイント②】大は小を兼ねる
時々、大きな部屋で小さな加湿器を数台置いて加湿している光景を目にすることがありますが、やはり役不足。電気の消費も非効率ですし、何より何度もたくさんの加湿器に給水していくのは手間ばかり掛かってしまいます。出来るだけその部屋の大きさに見合った加湿力の加湿器を1台だけで加湿するのがエコな使い方ですね。

【ポイント③】加湿のし過ぎに注意
これは前回のコラムでご理解頂けると思いますが、加湿のし過ぎは要注意。結露やカビの発生で建物や健康にも被害を及ぼします。なので、湿度は50%程度を目安に適度に調節しながら使うのがエコな使い方。出来るだけ、自動で湿度をキープしてくれる湿度調節機能付の加湿器がお勧めですが、湿度計を部屋に置いて適度にチェックしながら加湿器のON-OFFを手作業で行ってみるのもりっぱにエコな使い方ですね。

賢く使ってエコ運転

この冬の新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、専門家の方々が換気と加湿の両立の手段について提案をされています。中々、今回のコラムで挙げたポイント通りにエコな加湿器の使い方を実践することが難しい場合も多いかと思います。出来る範囲で構いませんので、このコラムを参考に賢く加湿器とお付き合いいただき、この困難な時期を頑張って乗り切りましょう!