加湿器の用途って?
これまでこのコラムでは、加湿器利用の利点を文字通りその「加湿」機能を中心にお話してきました。ですので、自ずと加湿器は「冬に使うもの」とのイメージが先行してしまいますが、「花粉対策のための加湿器利用」や「冬期以外の加湿器利用」の回でお話ししたように「加湿」の用途は冬場だけに限りません。さらには加湿以外の機能を使った効果も利用できる優れものなのです。
Q&A最終回となる今回は「もっと有効に加湿器を活用する方法は?」というテーマで、これから長く加湿器を使って頂くための締めくくりの内容で疑問にお答えしたいと思います。
もっと幅広く加湿器を活用するために...
冒頭でお伝えした通り、加湿器の役目は何より「(室内を)加湿」することにあるわけですが、その手段は当然のように加湿器から多くの水(水蒸気)を吐き出し、室内の乾燥した空気に潤いを与えることです。室内の乾燥対策としてこの加湿器の働きが、インフルエンザをはじめとするウイルス対策やお肌の乾燥を防いでくれる力強い味方になってくれるのですが、「冬期以外の加湿器利用」の回での内容の通り、室内の乾燥は夏場のエアコンで冷えすぎた室内でも起こりますし、「人」以外のものを対象とした乾燥対策は通年を通じて必要になってきたりもします。
こういった使い方をするには加湿器の「加湿」する力が大事になってくるのは当然ですから、加湿器の特徴をご存知の皆さんが色々な使い道をそれぞれ見つけていたければと思います。
ここではさらに加湿以外の加湿器の効果をお話ししたいと思います。
こんなに使える加湿器!
加湿器は水を蒸発させて空気に潤いを与えますが、この水を蒸発させることによって得られる効果には加湿と合わせてもう一つ重要な利点があります。それは「空気を冷やす」こと。水は蒸発する時に空気の熱を奪ってくれるという特性があります。この特性を活かせば、気化式や噴霧式のように“空気に接する”ことで水を蒸発させる構造の加湿器を冷却器としても応用することもできます。実際、業務用の加湿器には、冬は加湿器、夏は冷却器(冷風機)として製品化されている商品も存在します。
また、噴霧式の加湿器で期待したい効果が「沈塵(ちんじん)」です。花粉対策としての利用がその効果の代表的な使用例ですが、噴霧した水が蒸発する前に空気中のちりやほこりを吸着させ、空気中の汚れを落下させることができます。これも噴霧量の多い業務用の噴霧式加湿器(冷却器)でなければ目に見えた効果を得ることはできませんが、例えば、工事現場や産業廃棄物の分別作業場などでは、噴霧式加湿器と同じ原理の冷却器を粉塵対策として利用している場合もあります。
そのほかにも「冬期以外の加湿器利用」の回でご紹介したように「(物の)保管」や「(植物などの)育成」に使われる場合など、加湿器の利用用途は様々です。
有意義に加湿器を使いこなしましょう!
今回は「Q. もっと有効に加湿器を活用する方法は?」という疑問に対する回答で、答えは「A.水を噴霧したり蒸発させることで得られる様々な効果あり。」とさせて頂きます。一口に加湿器といっても、その構造や製品規模は多種多様ですので、折角ですから本来の加湿器としての用途に限らず、皆さんそれぞれが有効な使い道を色々考え、その使い道に適した加湿器の導入と有意義な加湿器の使いこなし方を楽しんで頂ければと思います。