加湿器はお手入れが大事。

前回までのコラムで加湿器の利点と共に注意点もいろいろとお伝えしました。例えば前回のコラムで少し触れたように加湿器に「カビ」が発生しないようにするためには、加湿器自体のお手入れが大事です。同じように加湿器は定期的に清掃を行っておかなければウイルスや有害な細菌の温床となり、健康被害を引き起こす恐れも出てきます。そうなっては、せっかく有用な加湿器の利点を活かせなくなってしまうどころか、加湿器が人に害を及ぼす存在になってしまいます。
それでもやっぱりお手入れは面倒なこと。できるだけ簡単に済ませられればそれにこしたことはありません。

そこで、Q&A第4回目は「加湿器のお手入れを簡単にできない?」というテーマで疑問に対してお答えします。

手入れを怠ると...

「お手入れする」ということは、逆に「お手入れしなかったらどうなるのか」を知ることから考える必要があります。冒頭のカビ・ウイルス・細菌といったものが体に良くない存在であることはどなたでもご存知でしょうが、ではそれらがなぜ加湿器から発生するのでしょうか?

このコラムに目を通して頂いている方はお気づきかと思いますが、カビや細菌などは加湿器特有の「水分」を好んで繁殖します。特に加湿器の濡れた部分の水滴などを放置してできた「ぬめり」を放置しておけばそれがレジオネラ属菌の温床になることはこのコラムでも紹介しました。さらに加湿器内で繁殖した細菌などが加湿空気と一緒に放出されれば人体に悪影響を及ぼす危険が高まります。

こういった危険は水を扱う設備として特にお風呂場や台所などでも同じように注意する必要がありますが、加湿器は機械ですからそれなりに構造が複雑で、濡れている箇所が判りづらかったり、お手入れしづらかったりすることがあります。とはいえそれを放置すると前述の危険にさらされてしまいますから、お風呂場や台所以上に注意深くお手入れを考える必要がある存在といえるかもしれません。

何れにしろ、お手入れを怠った場合は、カビ・ウイルス・細菌などの繁殖~飛散・接触によって何らかの疾病にかかる危険が高まるということを意識しておかなければなりません。

加湿器の一番大事なお手入れは「水分を無くすこと」!

お手入れの必要性を感じていても実際に何をどこまでやればいいのか、手間なく簡単にできる方法はないのか、といった疑問が湧いてきます。

でもお手入れで一番大事なことは加湿器内の「水分(濡れ)を無くすこと」だけです。

加湿器の使用後には、濡れている箇所(加湿空気の吹出口、加湿用の水の通り道、そしてなにより加湿用の水タンクの中)を乾燥させてしまえば、ほぼ日々のお手入れは終わりです。

つまりはそれらに溜まった水分を“ふき取って”しまうことが一番簡単なお手入れの方法なのです。

ただ、加湿器内(機械内)の水の通り道などは、ふき取ろうにも手が入らない(元々ふき取るようにはできていない)といったことがあり得ます。

加湿器の種類にもよりますが、「乾燥運転(乾燥モード)」といった機能があれば、手の入らない場所に溜まった水分を乾燥させてくれますので便利です。

もう一つ、最も重要な水タンク内部のふき取りですが、加湿器を選ぶ際に、水タンクが取り外せる、給水口が大きく手が入りやすい、といったふき取りやすい商品を選ぶのがお手入れを簡単にするコツになります。

多少の手間は掛かっても安心して加湿器を使いましょう。

今回は「Q. 加湿器のお手入れを簡単にできない?」という疑問に対する回答で、答えは「A.まずは残った水分を乾燥させれば(ふき取れば)大丈夫。」とさせて頂きます。ふき取りやすい構造の加湿器を選んだり、加湿器の機能を使えばそれほど苦労しなくても加湿器に残った水分無くすことは簡単です。ただ、できればそれを毎日行って、健康的に加湿器とのお付き合いを続けて頂くための手間は惜しまないで頂ければと思います。