加湿器って冬のシーズンだけ?

いよいよ暖かい季節を迎える時期になってきました。本来であればこのコラムでお話してきた加湿器の出番もそろそろおしまいといった頃合いですね。加湿器の仕事は文字通り「加湿」ですから、四季のある日本では、春の訪れとともに乾燥シーズンも終わり、加湿を必要とする機会が少なくなってきます。むしろ春を過ぎて梅雨の時期になれば「除湿」すら必要な季節がやってきます。
ですが、本当にこれからの季節は加湿器の役目が終わってしまうのでしょうか...

実は、加湿器の活躍の場は冬の乾燥シーズンだけに限らないのです。 前回のコラムでお話しした花粉対策のための加湿器利用もその一つ。春先はもちろん、花粉アレルギーの方の中には、一年を通して花粉に悩まされている方もいらっしゃいます。そのような方には、季節に関係なく加湿器が強い味方になってくれます。

今回のコラムは加湿と加湿器のお話の締めくくりとして、冬の乾燥シーズン以外でも「こんなことに使える」加湿器の利用機会についてお話ししたいと思います。

見過ごしてませんか?夏の加湿。

普段の生活の中で加湿器が必要になるのはやっぱり「乾燥対策」としてですね。健康面で考えると空気の乾燥はのどや気管支、お肌にトラブルを与える原因になるのはよくご存じかと思います。もちろんウイルス対策にも乾燥対策が有効です。このコラムで温度と湿度の関係をご理解頂けた方はお分かりかと思いますが、気温が下がると空気中に蓄えられる水分量が少なくなってしまいます。

夏にエアコンで涼しくした室内は同時に除湿も行っていますので、気密のしっかりした建物だと湿度(相対湿度)は下がっていなくても、空気中の水分量が少なくなっている場合があります。今では環境対策の考えから、室温をあまり下げないエアコンの使い方が広く浸透していますが、場合によってはかなりエアコンで冷え切った室内でお仕事をされている方もいらっしゃると思いますので、そんな時は、健康を考えて適度に加湿器を使ってみることをお勧めします。

人以外にも加湿は重要。

人の健康面を考えて湿度の管理を行うのはとても重要な事ですが、健康面以外でも湿度管理が重要になる場面があります。キーワードは「保管」と「生育」。

まず「保管」ですが、これは正に物の保存管理に関して湿度管理が重視される場合です。野菜や果物といった食品、木材・紙類・電子製品といった工業製品など、乾燥による品質の劣化や静電気対策が必要となる保管に加湿器が必要になる場合があります。次に「生育」ですが、これは食料品をはじめとする植物・菌類の成長に湿度管理が欠かせない場合です。特に菌類(屋内栽培で生育するキノコなど)は高湿での管理が必要となり、多くは加湿器が使われます。このように加湿器は産業利用として、人以外に対して使われることも多く、通年利用されている場合もありますから、冬以外に加湿器が活躍する機会は意外と多くあるのです。

最後に...

加湿器はウイルス対策に有効な手段として広く認知されてきています。今では、加湿器に空気清浄機能が付いた製品も登場し、私たちの暮らしに安心を与えてくれる大事な存在になってきています。冬場はもちろん、社会の様々な場面で一年を通して活躍する加湿器。
これからも皆さん一人一人がご自分のライフスタイルに合わせ、健康で安心な生活を送って頂くために賢く加湿を理解し、楽しく加湿器とお付き合い頂ければ幸いです。