加湿器のお仲間「空気清浄機」

異常気象ともいわれた今シーズンの暑い季節も終わり、これから本格的に秋から冬の季節へ移り替わる時期を迎えました。加湿器の準備も考えておかなければならない頃合いとなりましたので、今年も本コラムを再開したいと思います。

未だ世間の注目を集める新型コロナウイルス。この新型コロナウイルス感染防止への対策として皆さん一度は必要性を意識されたのが「空気清浄機」ではないでしょうか。

今シーズンは加湿器だけに限らず、同じ目的で使われることも少なくない「空気清浄機」にも目を向けて、広く快適で安全な室内環境を目指すための知識にお話しを膨らませて本コラムをお届けします。

今回は、本コラムの主役である「加湿器」と「空気清浄機」との“相性の良さ“に軽く触れてみたいと思います。

新型コロナ時代の空気清浄機

新型コロナウイルス感染の脅威が世界を襲い始めて数年、家電分野を中心に飛躍的に売り上げを伸ばしてきたのが空気清浄機です。飛沫感染が大きな感染原因とされた新型コロナウイルスですから、その対策として「換気」が大事というのは皆さん誰もが納得されていると思います。ですが、真夏や真冬にエアコンで快適にした室内の空気を入れ替えるのはどうしても躊躇してしまいます。さらには、窓を開放しての換気がしづらい用途のお部屋もあるでしょう。そこで空気を入れ替えずにきれいにしてくれる空気清浄機は大変便利な機械といえます。

ただ、一口に空気清浄機といっても、加湿器同様、空気清浄機にも様々な「方式」が存在します。空気清浄機が空気をきれいにする仕組みについては次回のコラムで触れさせていただきますが、ここで大事なのは、空気清浄機を使いたい目的やお部屋の用途や広さをもとに、どんな空気清浄機を使うべきかしっかり考える必要があるということ。これは加湿器選びと同じですね。

やはりここ最近は「新型コロナウイルスに感染しにくいものがほしい」といった目的で選ばれる方が多いかもしれませんが、当然、世の中全ての空気清浄機が新型コロナウイルスから感染を防いでくれる能力を持っているわけではありません。ですが、直接ウイルスを不活性化させる効果のない空気清浄機であっても、感染防止に役立てることはできます。例えば、ほこりを吸引・吸着する能力に優れた空気清浄機を選べば、室内に漂うほこりを減らしてくれるので、「感染源となる飛沫がほこりに吸着して室内にウイルスが漂う危険を少しでも防いでくれる」といった効果が期待できます。

空気清浄機と加湿器を併用すると...

空気清浄機と加湿器を併用することでいろいろなメリットが生まれます。上の例えでいえば、加湿器で室内の空気を潤し、咽喉の乾燥を防ぐことで咳の回数を減らせば、さらに感染の危険が防げます。

ウイルス対策だけでなく、加湿によって潤った空気はカビをはじめ、さまざまな菌類の繁殖の危険も伴いますが、空気清浄機で除菌することでその危険も防げます。過去のコラムでも触れましたが、加湿器は水分を蒸発させて空気を潤すため、加湿方式(あるいは機種)によっては、雑菌の繁殖とその飛散が危ぶまれるものも存在します。

除菌効果の高い空気清浄機を併用すれば、万が一、加湿器から有害な菌が飛散した場合も、その菌を捕集して実害を防いでくれる可能性があります。

加湿器も空気清浄機もそれぞれ用途は異なりますが、同じ「空気を快適にする」ことが大きな目的の機械ですので、同じ目的を持った仲間同士といえるかもしれません。それぞれの特長でそれぞれの足りない部分を補ったり、プラスαの効果が期待できたりすることは大きなメリットです。

次回からは... 

今回は加湿器と空気清浄機の併用の利点を簡単に述べさせていただきました。もちろん、両方使えば快適に過ごせるであろうことは既に皆さん理解いただけていると思います。ただ、それぞれを両方揃えるとなると、それなりのコストが掛かってしまうので何だか躊躇してしまう、というのが本音ではないでしょうか。

次回からは、より現実的で経済的な空気清浄機の活用にも目を向けて少し踏み込んだ空気清浄機のメリット・デメリット、上手な活用の仕方(加湿器やエアコンなどの併用も含めて)を踏まえた内容で本コラムを進めていきたいと思います。